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世界文化遺産 仁和寺前ホテル計画の見直しを求めるアピール

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京都市右京区にある世界文化遺産 仁和寺門前に、建築基準を大きく上回る特例を前提としたホテル建設が計画され、2021年2月末住民に配布された資料によれば、2021年夏頃着工予定とされています。
こうした状況のもとで、世界文化遺産仁和寺とその周辺の景観・環境を守る立場から、下記よびかけ人の連名で、「世界文化遺産仁和寺前ホテル計画の見直しを求めるアピール」を発表し、京都から全国へ、そして世界に向けて、この問題を広く訴えていくことにいたしました。

古都1200年の歴史にはぐくまれる、人々の暮らしの中にいまも生き続けている美しい景観を守るために、京都市も事業者も一度立ち止まって、この計画の根本的見直しを行うことを心から望んでこのアピールを発表いたします。

2021(令和3)年3月25日

よびかけ人(敬称略)

池内 了

(総合研究大学院大学名誉教授、名古屋大学名誉教授)

大石 芳野

(写真家)

加藤 登紀子

(歌手)

柴田 京子

(山とみ女将)

圡橋 亨

(映画監督)

野田 正彰

(精神科医、ノンフィクション作家)

広原 盛明

(元京都府立大学長)

宮本 憲一

(元滋賀大学学長、大阪市立大学名誉教授)

世界文化遺産仁和寺前ホテル計画の見直しを求めるアピール

「仁和寺にある法師」で知られた、世界文化遺産仁和寺。その門前からは、前方に双ヶ岡、西には西山連峰がなだらかな稜線を広げています。この風景は、古都1200年の歴史にはぐくまれ、人々の暮らしのなかにいまも生き続けています。

1960年代後半、双ヶ岡の乱開発が大きな問題になり、京都の景観・風土を守ろうと立ち上がった市民のたたかいがありました。
このたたかいを経て誕生したのが「古都保存法」です。ところが、市民が大切に守り抜いてきた世界文化遺産仁和寺の門前に、いま東京に本社をおく事業者によるホテル建設計画が進んでいます。しかも、京都市は上質宿泊施設誘致制度をつくって、建物の延床面積を緩和し、特例を用いて規定の倍近くの面積を認めようとしています。

仁和寺の周辺は、世界文化遺産の緩衝地帯(バッファゾーン)として、建築には多くの規制があります。また、古都保存法の「歴史的風土(特別)保存地区」にも指定されています。こうした地域でのホテル建設に特例による緩和など論外ではないでしょうか。

仁和寺の門前は、双ヶ岡と一体となった優れた景観です。
夕暮れどき、西山連峰に沈む陽が、山の稜線と二王門を映して見事なシルエットを描きます。勇壮で荘厳な仁和寺とともにある風景は、近隣で暮らす住民はもちろん、世界中から訪れる人々の宝です。

ここに大きなホテルが建てば、この景観も静かな住環境も一変します。
美しい景観は、だれもが等しく得られるものです。住民の暮らしとともにあるこの風景こそ、京都の魅力ではないでしょうか。

京都はホテルのまちではありません。世界文化遺産仁和寺前のホテル建設については、京都市も事業者も一度立ちどまって、建設凍結を含む計画の根本的見直しを行うことを心から望むものです。